活動背景

『虹色未来大学』は大学と名乗っていますが、学校法人として認可を得た大学ではなく、市民活動団体(非営利団体)としての名前です。地域に根づき、地域の中に学びの場を創り出している「ソーシャル系大学1」として、千葉県柏市から発足しました。

なぜ立ち上げたのか?

高度経済成長期(1950年代~)の人生は平均寿命が60年ほどでした。しかし、現代人の人生は100年。「孤独」「健康」「経済」の頭文字を取って3K(高齢者の三大不安要素)と言われ、メディアは未来を不安の言葉ばかりで煽ります。せっかく長生きできる時代なのに、気分暗くして生きる人生がしあわせなのでしょうか?

まだ訪れていない人生後半の真っ白いキャンパスを「虹色の未来」として描いていきたいと思いから『虹色未来大学』という団体を立ち上げました。2021年12月にプロジェクト発足、翌2022年4月に団体を設立し、市民活動団体としての活動を正式に開始しました。

虹色未来大学のキックオフミーティングの様子(2021.12.01)

「QOL」と書いて人生の質、生活の質などと言いますが、僕らは「QOD(Quairity of Death)」という少々哲学的な概念を大事にしています。「良い死を迎えるために今をどう生きるか?」という逆説的な問いです。この人生の終わりを意識して今を生きることが、人生を悔いなく使い切るためには欠かせないと僕たちは考えています。

しあわせを感じる姿は人それぞれですが、中でも僕らは「つながり・仲間関係」を強く意識しています。

NHKスペシャルで『縁社会~“無縁死”3万2千人の衝撃~』という番組が放送されたのが2010年。ここから「無縁社会」という言葉が世に知れ渡り、大きな反響を呼びました。これはその名のごとく縁がない個人や社会、孤立・孤独の中で寂しく亡くなっていく人たちを丁寧に取材したドキュメンタリー番組です。

地縁・血縁・社縁(非選択縁)というこれまでの人と人とのつながりが、現代では機能不全となっています。煩わしさもある人間関係ではありますが、それでもやはり人はひとりでは生きてはいけません。

そこで虹色未来大学では現代にマッチした新しいつながり方として、思いや志でつながれる選択縁型の「志縁」という関係づくりを開始。「好きな時」に「好きな場所」で「好きな相手・仲間」とつながれる自由でかつ心地よい縁。その実現をリアルとオンラインのハイブリッドなスタイルとして現代型にアレンジして展開しています。

人生後半の生き方をみなで考え、実践し、学びとしていく。そんな人生再創造に向けた共学共創の場づくりを虹色未来大学では進めています。


  1. ソーシャル系大学…街に眠る学びの資源を活かしみんなに提供する場として、学問的な権威と関係なく学びたいという意思が優先される。文部科学省管轄下の大学とも一線を画しており、ソーシャル系大学に集まるのは学びや体験を通してつながりたいと願う人たち、同志です。 ↩︎